私達は、「ほうらね、やっぱりそうだった、いわんこっちゃないよね」 と小賢しい顔をして言いたいのです。その方が賢明に見えますし、経験則からもそう言う方が間違いないと思い込んでいるのです。

暗闇のなかの希望 増補改訂版 ─語られない歴史、手つかずの可能性 レベッカ・ソルニット 著 , 井上 利男 翻訳 , 東辻 賢治郎 翻訳 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480438270/

私達は大人なんだから、夢だとか、希望なんて子供騙しには騙されないよ、どうせ。そんなものは幻や勘違いでしかないのだから 私達大人はそういう姿勢をとることを好みます。そう振る舞う方が賢く見える。大人に見えるのです。いわゆるニヒリズムという姿勢ですが、これこそが、現状悪化に繋ります。

こういう行為を続けることで、失敗しないという訓練は出来るでしょうけれど、そこまでなんです。

こうすれば、成功するという訓練はしていない、こうすれば、希望が見えるとい訓練ではない。

だから、全体的にじわじわと沈んでいくわけです。

希望を持つことがどれほど大切なことか。希望を持つことで、小賢しい顔を排し、強い意志を持って、前に歩きだすことができるのです。

そして、希望を持つには成功体験が必要です。ニヒリズムに感染していた私達にはその成功体験がありません。でも、歴史をみ見れば、うまくいったなぁという成功体験があります。

この本、「暗闇のなかの希望」はそんな私達に希望を抱かせてくれる本です。

かなり、お勧めです。