僕は、そして僕たちはどう生きるか を読む

本の感想を書くのは難しい.

いや、書こうと思えば書けるのだけれど、私はその本を読む前にその本について、誰かの感想を読むことが嫌いなのだ.とくに、感想かあらすじかわからないよ うなものは迷惑この上ないと思っている.だから、自分が本を読んで、その感想を書くということを躊躇う、だから、難しい.
ま、結局は書かないのだけれど.

とりあえずは当たり障りのないことを書く. 私が生きている時代に梨木香歩が生きていて、継続して小説やエッセイを書いているということに感謝している.それは、自分がいつかは書いてみたいと思う小 説、ああそういうことなのかと気づかせてくれるエッセイの何倍もの上質なものを読ませてくれるからだ。もしも、梨木香歩が私より年下だったなら、間違いな く私は嫉妬していると思う. 梨木香歩を最初に読んだのは「西の魔女が死んだ」だったと思う.何年前だろう、読んでからしばらくして映画化された.その後、「裏庭」などの小説、「ぐる りのこと」などのエッセイ、すべてではないだろうけれど、そこそこ読んでいると思う. 初期の作品から考えて、梨木香歩の視線は変わっていない、立ち位置も変わっていない.でも、ここ数年の作品を読んで思うのは、梨木香歩は「伝えたい」とく に10代くらいの子供に「伝えたい」と願っていると思う.それは、今の社会が個を押しつぶしていく、そういう流れになりつつあり、梨木香歩流の警鐘をなら しているのだと思う. 梨木香歩は初期の作品から、個を大切に描いてきた作家だと思う.だから、今の時代にかなりの危機感を抱いているのだろう

上橋菜穂子はちょこちょこテレビに出ている、ああ、獣の奏者って、この人が書いたのかとテレビを見て思う。梨木香歩はテレビで見たことがない.まったく顔を知らない.多分、小説家は姿を見せない方がいいと思う.気持ちが覚めるから.

僕は、そして僕たちはどう生きるか
岩波現代文庫 文芸 258

梨木香歩/著http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/60/1/6022580.html